2012年08月27日

無常

最初、その人は汗をぬぐっているのかと思った。
燃え尽きたばかりのお骨は熱く、
丁寧に覗き込みながら、一つひとつのお骨の説明をしながら
親族である私たちに渡してくれていたから。

すべてを骨壺に入れた後、
その人はまた、丁寧に丁寧に、布で縛った骨壺をなで、
布の結び目をピンと張ってくれていた。
本当に、何度も何度も。
そのたびに、袖口で顔を拭う。
熱い一日だったから。汗がしたたるのを止めているのだと思っていた。

私たちが骨壺を抱いてその部屋を出たとき。
その人は小さな声で「私も教え子でした」と話しかけてくれた。
「まさか、先生のお骨を拾うことになるとは…」
「一番心に残っている先生です」
彼は、涙を拭っていたのだった。

若くして、志半ばで急逝したけれど、
今までやってきたこと、こうして残された私たちに示してくれている。
先生って職業の素晴らしさ、わかったような気がした。

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posted by koto at 19:14| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本当に素敵な先生…でいらしたのでしょうね…!!
だからこそ…こんなに早く…
胸が痛みます…。

学校という現場で、一生懸命頑張っておられても、
現実問題、子どもたちや家庭の現状は、
必ずしも芳しくなく、
外部からは叩かれ…
なかなか辛い立場の職業だと思います…。

先生方のご苦労が実りにつながるよう
私たちも私たちの角度から、応援していきたいと思います!!

謹んでご冥福をお祈りします!!
Posted by いとうともこ at 2012年08月30日 18:56
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